• 青山学院大学 総合文化政策学部

 全体の概要:

2008年から継続してきた、黒石研究室による渋谷を拠点として山形の新庄市や宮城の気仙沼市などの市役所や高校、中学校、地域の市民団体の方々と行う交流活動、震災復興支援活動、また渋谷や世田谷の都市的生活環境の調査、町内会や商店会との活動が、2022年度にも新たな形で行われました。コロナの影響をようやく脱して、自分たちの目で地域の調査を行い、再開した祭りや町内会の活動に参加することで、改めて人と人の繋がりの大事さ、人々の想いや日々の営みが地域や都市の環境を形作っている様子を学びました。また、その調査やつながりをもとにして、新庄の農作物を下北沢で販売紹介し、東町で写真展を開催し、下北沢で古着のワークショップを行うことができたのは、多くの方々のおかげであり、学生たちが次のステップに踏み出したことの確かな手がかりでした。ささやかな活動と信頼関係を積み重ねることの大事さを、学生たちが学んだ様子をご覧いただければ幸いです。

  目次:

Ⅰ.山形県新庄市との交流事業  3

1.東高校とのオンライン交流 3

2.夏のワークショップ 5

3.夏の新庄まつりへの参加 6

4.秋の新庄まつりin巣鴨への参加 8

II .世田谷区下北沢での地域活動 11

1.下北沢のフィールドワークで自分たちの問題意識を発見する 11

2.下北沢線路街への参加―mishmash, SNSの運営 14

3.下北沢mishmashでの山形東高校との出店 15

4.下北沢mishmashリサイクルワークショップ実施 19

III. 渋谷区東町での町内会活動に参加 22

1. 東町ときわ松町会の調査と問題発見、企画提案から勉強会開催 22

2. 餅つき大会+写真展の実施+高齢者訪問で気づいたこと 26

IV. 全体の振り返り 27

Ⅰ.山形県新庄市との交流事業 

1.東高校とのオンライン交流

私たちは、山形県新庄市の東高校の学生たちと共に、オンラインでの交流会を水曜日の午後に実施し、情報交換を行いました。その中で、自分たちが住む地域の特徴や好きなところを共有し、未来への展望や問題について話し合いました。異なる地域に住む経験や意見を交換し合うことで、お互いの住む町の良さや違い、価値観や見方の違いについて学ぶことが出来ました。特に印象的だった意見交換会は5月18日です。

5月18日「こんな町にしたい」を話し合う

高校生から挙がった声: 

・子供たちが活発で明るい町、高齢者も住みやすい町、人が優しい町

・老人ホームや保育園などの施設が整っている、子育てしやすい町

・若者も楽しめる、歴史を大切にする町、今あるものを大切にして自然を守る町

・自然と生活の快適さを両立する町、老若男女みんなが笑顔で暮らせる町

・ゴミが落ちていなくて子供たちが安心して歩ける綺麗な町、シャッター商店街を活性化

青山学院の学生から挙がった声:

・山形のように、挨拶をし合う町、近所で助け合うコミュニティのある町、コミュニケーションを自然に取ることができる町が羨ましい

・バスなどの公共交通機関が少ないし、みんなが利用できる休憩スペースが少ない

・緑が不足しているので、緑や花などの自然を大切にする町が良い

2.夏のワークショップ

夏には、山形県新庄市にあるエコロジーガーデンの会議室で、高校生と初めて対面でのミーティングを行い、新庄市の魅力について話し合いました。高校生たちからは、給食に納豆汁が出ることや、山や田んぼが身近にあり野菜は買うよりも採る方が早いこと、近所に住む人とは顔馴染みで野菜をあげたりもらったりすることなどの話を聞き、とても魅力的に感じるとともに、東京に住む私たちとはその生活様式に異なる特徴があると感じました。

また、新庄市で農業を営む高橋保広さんからお話を伺いました。高橋さんは、「さわのはな」という、根が強く、病気や環境変動にも強い品種の米を生産しています。そんな「さわのはな」は、一般に流通するものとは形が異なり、濃いめの味が特徴です。高橋さんは、農家と消費者との繋がりを大切にされている方で、お互いが顔の見える関係を築けるようにと、平成7年にネットワーク農園を設立されました。多くの人と繋がることで、様々な意見や知恵を得ることが出来ると話していました。私たちは、高橋さんの話の中で、消費者のあるべき姿について考える機会がありました。

 高橋さんが考える消費者のあるべき姿

・「こんなものを食べたいから、こんなものを作ってくれませんか」という要望が嬉しい

・「安全なものを食べたい」という思いが、子育てや体づくりにつながる

・農家が頑張るためには消費者が頑張らなければならない

・「何が食べたいか」を消費者が自覚を持って農家に伝える

 高橋さんの話の中にあった、大切にしたい考え

・現代の環境問題にも対応できる、強い農作物の存在が大切

・消費者が、自分の食べているものに興味・自覚を持ち、農家とつながる必要がある

・女性の感性や強さをより重要視していく必要がある

・震災時にお米(農業)の存在が大切なネットワークになる

・「農業をする」ということがたくさんの苦労と努力を伴う

3.夏の新庄まつりへの参加

日程:8月24日(水)~8月26日(金)

場所:山形県新庄市

活動スケジュール:

 24日 山車引き回し、花もらい

 25日 山車引き回し、花もらい

参加者:遠藤春香、熊倉双葉、大野結衣、串田結依、渡邊芽依

  新庄まつりとは

毎年8月24・25・26日の3日間、山形県新庄市で開催されているおまつりです。260年以上続く伝統的なまつりで、藩政時代の宝暦6年(1756年)、藩主戸沢正諶(とざわまさのぶ)が、前年の大凶作でうちひしがれている領民に活気と希望を持たせ、豊作を祈願するために、戸沢氏の氏神である城内天満宮の「新祭」を領民あげて行ったのが起源とされています。平成28年にはユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財として登録されました。

   新庄まつりへの参加を通して

24日は、山車と共に市内を歩きました。その中で「花もらい」という活動に参加させていただきました。「青森ねぶた」など、東北の大きなお祭りには企業など多くのスポンサーがつくようですが、新庄まつりはそのスポンサーがあまり多くなく、毎年この「花もらい」を通して、次年度の制作費用を集めています。市内の家やお店を一軒ずつ訪問し、来年度の山車の制作費を募金してもらうのです。

この「花もらい」は、一日中歩き続けなければならずとても大変でしたが、この活動を通して、他の町内からアルバイトとしてやってきた中学生や高校生たちと、お話しすることができました。「花もらい」のやり方を丁寧に教えてくれたり、新庄の有名な食べ物を教えてもらったりと、交流することができて良い経験になりました。将来は山形に住みたいか、それとも他の県に住みたいか、など様々な話の中で、地元の高校生たちが過疎化の進む地域についてどのように考えているのか、率直な考えを聞くこともできました。

夜になると、何台もの山車が列を作ってパレードのように作品を観客に見せていました。日中は「花もらい」に夢中で山車をじっくりと鑑賞する時間があまりなかったのですが、夜になってライトアップされた山車を見ることができて、本当に感動しました。翌日、お祭り2日目の25日は生憎朝から曇り空でしたが、地元の子供達も元気に声を出して山車を引っ張っていました。休憩時間には小さい子が太鼓を叩く練習をしていました。伝統はこのようにして引き継がれているのだということに気がつきました。(串田結依)

  当日の様子

〈町のなかを山車と共に歩く様子>

〈巡行の最後に山車をひいて町内に帰る様子〉

〈数人ずつで周辺の家に花もらいに伺う> 〈沢山の方から頂きました〉

4.秋の新庄まつりin巣鴨への参加

開催日:11月5日(土)・6日(日)

メイン会場:大正大学キャンパス

主催:山形県新庄市

   開催概要

大正大学と大正大学鴨台会の協賛イベントとして、山形県新庄市の主催で「新庄まつりin巣鴨」が2022年11月5日(土)、6日(日)に開催されました。新庄まつりは、豪華絢爛な山車行列とそれを盛り上げるお囃子が見どころですが、巣鴨で行われたのは今回で2度目になります。2017年にも、大正大学の連携自治体である山形県新庄市の新庄まつりの魅力を伝えようと、「新庄まつりin巣鴨」を開催し、新庄市の知名度アップを目指しました。

5年ぶりとなる2022年も巣鴨で新庄まつりを発信すべく、開催されました。当日は、 2022年の8月24日から26日の新庄まつりで実際に使用された川西町若連・小泉囃子若連 風流「暫(しばらく)」上茶屋町若連・松本囃子若連 風流「二人道成寺(ににんどうじょうじ)」の2つの山車が巣鴨の街を巡行し、多くの巣鴨の住民や、これを見るためにわざわざ訪れた観光客も楽しんでいました。

   スケジュール

11月5日(土)

12:00   開場

14:00   オープニングセレモニー

15:00   一番山車、二番山車の順に出発

18:00   全山車 帰還

(19:00まで) 山車展示

11月6日(日)

10:30   開場

11:00   山車行列出発式

12:00   一番山車、二番山車の順に出発

15:00   全山車 帰還

手締式

大正大学太鼓部-鼓鴨-とすがも太鼓組鼓友の共演によるパフォーマンスや神輿渡御行列実行委員会による傘回・挟箱などが行われました。大学のキャンパスの外にも、巣鴨地蔵通り商店街の出店や屋台が並ぶなど巣鴨の街を上げて、新庄まつりを受け入れている様子が窺われ、盛り上がりを見せていました。

大正大学キャンパス内では、新庄市の特産品販売をはじめ、新庄産そば粉「最上早生」を使用した手打ちそば、やきそばを販売しており、さらに両日ともに先着250名へ山形の秋の味覚「いも煮」の無料配布を行っていました。いも煮の配布では長い行列が出来ており、多くの人が山形の郷土料理を楽しんでいました。

  〈芋煮〉

   秋の新庄まつりin巣鴨への参加を通して

私たち黒石ラボの学生4名も、11月6日(日)に山車の巡行に参加させていただき、夏合宿の際もお世話になった上茶屋町若蓮、松本囃子若連の方々と巣鴨を巡りました。晴天の下、口伝で伝承され続けるお囃子が、巣鴨のまちで響き渡っている様子は、夏合宿で参加した新庄まつりを彷彿とさせました。上茶屋町の色鮮やかで迫力ある山車が、新庄ではなく、東京にそのまま持って来られ、多くの人に見られていることに感動を覚えました。伝承されず消えてしまう祭りもありますが、コロナ禍を乗り越え、こうして東京でも開催されていることから、新庄の方々のこの祭りを残したい、もっと多くの人に知ってもらいたいという強い気持ちを感じました。今年度の山車は、二人道成寺をモチーフにしたものです。この巣鴨でのイベントに合わせて、能面師という人形を作る職人の方に組み直してもらったため、夏の祭りの際よりも、人形がより美しく見えるだろうと若蓮の方が誇らしく語っていたのが印象的でした。この新庄まつりのための山車は、町の人の手によって作られていますが、人形は、野川北山という人形師の方が、山車を出す20の町の人形を手がけていると伺い、大変驚きました。壮大で、艶やかなこの祭りの影には、そのような職人の方々の活躍があると知りました。山形から訪れた若連の方々の粋な魂を間近で感じ、新庄の空気をそのまま連れてきたかのような雰囲気を味わいました。実際に見る山車は想像の何倍も大きく迫力があり、私たちだけではなく、巣鴨の地域の方々にとっても華やかで印象深い出来事として記憶に残ったと思います。

II .世田谷区下北沢での地域活動

1.下北沢のフィールドワークで自分たちの問題意識を発見する

私たちは、今年度、昨年度までの下北沢での活動を引き継ぎながら、新たな視点で調査・考察を行ってきました。主に前期は、後期に行うプロジェクトの準備として、フィールドワークやミーティングを重ね、下北沢の産業や人口構成、文化について理解を深めると共に、その魅力や課題について話し合いました。

    4/6(水) フィールドワーク(1回目)

・4/6(水) 14時頃

・ラボに加入したばかりでまだ下北沢を歩いた経験が無い学生がいたため、下北沢での活動経験がある4年生に下北沢の主要な建物や施設を案内してもらいました。

    4/27(水) 事前調査の結果報告

・下北沢の基礎情報について理解を深めるために、学生で分担してインターネット等で文献を調査し、調査の結果を互いに報告し合いました。

・下北沢の「町内会・商店街の様子」、「用途地域」、「歴史地図」、「人口分布」などのテーマに分かれて調査を行い、下北沢の歴史や現在の様子に関する基礎知識を学びました。これから下北沢を拠点とする人たちと協力しながら活動を行っていくための心構えをする機会となりました。

    5/11(水) 下北沢に関する問題提起

・今までのフィールドワークや前回の事前調査の結果をふまえた上で、ラボ内でミーティングを行い、意見を交換しました。その結果、「下北沢の地域における空間が、駅前の開発によって大きく変化しており、住民の暮らしが再開発を行う企業の商業倫理とかみ合っていないのではないか」、「mishmash(毎月第二、第四日曜日に下北沢で開催されるマルシェ)などの、新しい活動への参加が地域の活性化につながるのではないか」という意見が出ました。

・以上の意見から、今後のフィールドワークでは「住宅地と駅・商業圏との関係」、「昔からあるお店は再開発によってどのようになってしまうのか」、「下北沢の文化の歴史はどのように展開されてきたのか」について、調査を行っていく必要があると結論付けました。

    5/25(水) フィールドワーク(2回目)

・5/25(水) 14時頃

・私たちは「駅周辺の人通りについて調査する」、「駅の北側を中心に、何が住民たちの暮らしを便利に・安全に感じさせるのか考えながら街歩きをする」、「駅の南側を中心に、南口商店街や駄菓子屋、古くから営まれているお店などを回って、高齢者や子どもが集う場所がないか探索する」という目的別に3つの班に分かれ、それぞれで調査を行いました。

    6/8(水) フィールドワーク(3回目)       

・6/8(水) 14時頃

・前回の3つの班ごとに、同じ地域を対象とした2度目の調査を行いました。前回のフィールドワークをふまえて出た考察の内容を検証したり、新たな気づきを得たりするための良い機会となりました

    6/29(水) フィールドワーク(4回目)

・6/29(水) 14時頃

・駅の南側と北側にある、それぞれの商店街で、店の前や道全体の景観写真を撮りながら歩き、路地・歴史的遺物・店・通行人の観察を行いました。

・また、6月にはフィールドワークと並行して、各自が下北沢に関する記事・論文や、商店街・街の景観の構成等に関する論文を読み、下北沢のまちづくりについて考える上での知識を深めました。

・フィールドワークの後、撮影した写真をもとに、各自がテーマを決めて商店街の景観に関する写真地図を作成しました。

    7/20(水) フィールドワーク(5回目)

・7/20(水) 14時頃

・下北沢にある「cafe Stay Happy」のオーナーさんから下北沢に関するお話を伺いました。

2.下北沢線路街への参―mishmash, SNSの運営

    活動内容

私たちは、約1年間、オーガニックマルシェ「mishmash」の運営に携わってきました。「mishmash」とは、毎月第二、第四日曜日に、下北沢で開催されるマルシェです。オーガニック野菜をはじめ、その他スイーツや雑貨など地球にやさしいこだわりの商品が並びます。私たちの主な活動内容は、マルシェ当日の設営・撤収のお手伝いと公式Instagramの運営です。

特にInstagram運営の方ではかなりの投稿数を求められたため、両立するのは大変だったのですが、両方をやっていたからこそ良かったと思える点が多くありました。それは、「mishmash」に来ているお客様の属性や当日の雰囲気など実際に現場に行かないとわからないことを知ることができ、その情報をInstagramの投稿に利用することができるということです。出店者様と直接お話をすることでそのお店や商品に関する詳しい情報を得ることもできました。また、逆にInstagramの投稿を事前に行い予備知識を得てから当日を迎えることで、お客様の質問に答えることができたり、出店者様とお話しする際に役に立ったりしました。

活動の振り返り

約1年間「mishmash」の活動に携わり、お客さんがマルシェを楽しんでいる姿を沢山目にすることが出来ました。しかし、その一方で、課題も発見しました。それは、オーガニック野菜を売るマルシェとして広告で印象付けていますが、実際には野菜を売る出店者さんは少ないということです。野外マルシェなので天候に左右されやすく、例えば暑い日には野菜がダメになってしまうという理由が大きいと考えられます。

また、Instagram運営における課題として、フォロワー数が増加してはいたのですが伸びが芳しくないということ、また投稿内容が被りがちになってしまうということがありました。特に、二度目以上の出店者様が増えてきていた後半になるにつれ、投稿したい情報が足りないことが増えていきました。もっと出店者様に情報をもらったり、出店者様紹介以外にも継続して投稿できる内容を模索したりする必要があると思いました。一方で、実際にInstagramの投稿を見て来てくださった方もいて、SNS運用の大切さを学ぶことが出来たので、この一年間の反省点を踏まえさらに魅力的な投稿を目指していきたいと思いました。

また、他には交流を続けることの大切さを学びました。初めて会ったときには、軽い挨拶程度であった出店者さんとも、毎月顔を合わせて会話をすることで、お互いに信頼関係が生まれたと感じています。その結果、商品について新しい情報が得られることもありました。(渡邊芽依)

〈小田急線下北沢駅南西口改札前の広場が会場〉

〈お客さんと一緒に野菜スタンプで作成した旗〉

3.下北沢mishmashでの山形東高校との出店

   活動に至るまで

私たちの生活には欠かせない衣・食・住。2022年の夏、私たちはこの食について考えました。私たちは普段、当たり前のように食事をしていますが、食材があることは当たり前なことではなく、作り手がいるからこそ、私たちは日々食材を口にすることができています。では、その食材はどこで作られているのか、誰によって作られているのか、考えたことはあるでしょうか。実は、身の回りに溢れている食材の一つ一つに、生産者の思いが込められているのです。

食は私たちの身体をつくり、私たちを繋ぐものです。「食は、生産者から消費者に届けられるものである。」当たり前のように聞こえる言葉ですが、決して当たり前なことではありません。消費者が食べたいと思う食材を、生産者は届けるのです。つまり、私たち消費者は、自分たちがどのような食材を口にしたいのか、どのようにして食を楽しみたいのかを考えることが大切なのです。私たちは、このことを、新庄市で農業を営む高橋保広さんから学びました。

   高橋保広さんについて

高橋さんは、山形県の北東に位置する新庄市で、「さわのはな」という品種のお米を生産されている方で、農薬・化学肥料など使用しない自然農法栽培の米「さわのはな」などを生産しています。「さわのはな」は、他の品種と異なって、根の強さが最大の特徴であり、根腐れに強く、土の中のミネラル分をいっぱい吸収することで耐冷性、耐病性に優れています。高橋さんは、消費者が食べたいと思った食材を届けたいという思いが強い方で、環境や人間の体に優しく、安全な食材にこだわりを持ってらっしゃいます。

  活動内容

山形県新庄市に住む高校生5名と共に、両者の共通の関心事である「食」について考え、「mishmash」で山形県の食材を販売しました。販売に当たっては、商品の生産者の方々の思いを知るために、高橋さんだけではなく、新庄市で農業を営む他の農家の方々にもお話を伺いました。そして、生産者の皆さんが、家族や友人、自分たちが作った食材を食べてくれる全ての方々の笑顔と健康のために、日々食材と向き合っていることを学びました。そして、農家の皆さんから米や野菜、調味料などの数多くの食材をお預かりして、「mishmash」にて販売し、山形県の食の魅力を発信しました。

販売した商品一覧

さわのはな(米)、菜々彩ベジ多ドレッシング、黒豆茶、畑なす、甚五右ヱ門芋、きくらげ(乾燥・生)、えのき、食べるえのきラー油、えのき柚子味噌

プロモーション活動:販売のため、農家さんの意見を反映しチラシを色々と作成しました。

   実際の活動の流れ

8/25.26 山形県新庄市訪問。

新庄市エコロジーガーデンにて高橋さん、新庄東高校の先生、生徒の皆さんとの座談会。

8/30 プロポーザル作成、販売商品決定、mishmashの運営に企画書提出。

東高の生徒が各自担当の農家さん、製造者さんに取材。

9/21 オンラインミーティング。販売商品の種類、値段等の確認、共有。ポップの作成。

9/24 mishmash1日目

9/25 mishmash2日目

 当日の様子

新庄東高校のOBOGの方が数人来てくださいました。また、山形県出身の方や東北地方出身の方も何人かいらっしゃいました。購入者は女性が多かったです。1日目は天気もよく売り上げも好調でしたが、2日目は夕方頃から大雨となり早めに引き上げることとなりました。

 売り上げ報告

比較的価格の低いキクラゲや小さくてかさばることのない黒豆茶、大きくてインパクトのある畑なすがよく売れました。さわのはなや甚五右ヱ門芋は値段は張りますが、商品の特徴や良さを説明すると興味を持って買って下さる方がいらっしゃいました。

 活動を通じた学び 

「人と人を食が繋ぐ」

これが、今回の活動を通して私たちが得た最も大きな学びです。今回、新庄市で作られた食材を通して、多くの方々との出会いがありました。一緒に活動を行った地元の高校生たち、高橋さん、農家の方々、マルシェに訪れてくださった方々。東京ではあまり見られないような、珍しい食材に興味を持って買ってくださる方が多くいらっしゃいました。中には、山形県出身の方や、東北地方出身の方、奥さんが東北出身だという外国人の男性の方など、地元の食材に懐かしさを感じたり、愛着を持って購入してくださった方もいました。食材を通して、新庄の農家さんたちと東京で暮らす人々が繋がっている、作り手の思いが届けられている、そんな瞬間に立ち会うことができました。

私たちは、何も食べないで生きていくことは決してできません。だからこそ、自分たちが食べている食材が作られた地域や作り手の思いを理解することは、今の私たちが考えるべきことであるのだと思います。(大野結衣)

活動を通して感じた課題

私たちが今回の活動で感じたのは、生産者ではない高校生や大学生が商品の良さを伝えることの難しさです。マルシェが行われている場所は駅前で人の往来自体は多かったのですが、その場を通りがかっただけの人々に興味を持って足を止めてもらうのは大変でした。事前に私たち大学生と高校生で販売商品について確認したり、パンフレットを作ったりして、ある程度の知識は付けていましたが、訪れてくれた方に関心を持ってもらい、購入まで持っていくにはまだ知識や準備が足りなかったのかもしれません。また、食品は実際に食べてもらわないと良さが伝わり辛いなとも感じました。その点では、黒豆茶は試飲を用意できたので、その美味しさが伝わり、結果買ってくれた人が多かったのだと思います。人が食を選ぶ基準は様々です。今回の出店を通して、「食」を人に勧めることの難しさを痛感しました。自分自身も、これからどのように食と向き合い選んでいくのか改めて考えていきたいです。(渡邊芽依)

〈実際の出店の様子〉       〈野菜をはじめとした新庄市の食たち〉

 4.下北沢mishmashリサイクルワークショップ実施

    活動への経緯

私たちは授業の一環として、今年の4月から複数回、商店街を中心とした下北沢の街を歩いて調査し、見て回りました。そこで、商店街ごとの違いに気づくとともに、古着屋の多さから下北沢で古着文化が栄えていることを改めて感じました。

また、私たちは普段下北沢のオーガニックマルシェ「mishmash」で運営のお手伝いやSNSの投稿を行っています。そこで自然環境に配慮した商品を販売している方と出会ったり、ネットの記事でアップサイクルという言葉を目にしたりしたことから、ファッションロス問題、衣服ロス問題に注目するようになりました。

今回の企画は、「mishmash」を訪れた方々に、ファッションとしてだけでなく環境問題の面からも古着のことを考えてもらい、使わなくなった衣類で作れるものがあることや、アップサイクルの楽しさを感じてほしいという想いから考えました。そして、今まで運営側として関わってきたマルシェに、出店者側として参加しワークショップを開催することにしました。

アップサイクルとは、本来捨てられるはずだったモノを新たな価値を与えて新しい製品にアップグレードすることです。廃棄されるものの中から使えるものを取り出し、原料や材料として再利用することをリサイクルと言いますが、アップサイクルは原料や材料に戻すのではなく、元の製品の素材をそのまま生かすのが特徴です。

私たちは、自分たちが使わなくなったトレーナーや着物などを集め、裁断し、貼り合わせることで、シュシュや巾着袋のような普段から使える小物作りに取り組みました。

 ファッションロスを下北沢で考える意義

•下北沢⇨ユニーク、”サブカルチャー”

商店数は1500店(67%→個店)

•一度使用された衣類の再利用を考える中で、流行やファストファッションではない”もの”自体の価値を理解した人々が集まってきます。廃棄され得る衣服は”一点もの”として下北沢の街で再利用されます。個性的な「お店」が数多く立地する下北沢ではアンテナ感度の高い、好奇心のある人々が集まります。

   企画概要

 「古着を使った小物づくりのアップサイクルワークショップ」。

マルシェに訪れた人がふらっと立ち寄って楽しめるよう、制作時間は10分から30分ほどを想定しました。また、子供でもできるように縫わずに作れるものを考えました。

開催日:12/11(日)

開催場所:下北沢のオーガニックマルシェ「mishmash」

   当日までの流れ

〇衣服を買う際に、本当に自分が必要としているものであるか考える。

〇衣服を捨てる際に、誰かに譲れないか、何か別の用途で使えないか、一度考える。

〇衣服をただ捨てるのではなく、アップサイクルという選択肢を考える。

〇衣服をリサイクルしてもらえるショップに持っていく。

   オンライン勉強会

ワークショップを開催する前に、オンラインで勉強会を開催し、考えた企画に関するアドバイスを頂きました。

参加者:

・新庄東高校

・mishmash運営 和田晃奈さん

・青山学院大学ボランティアサークル SHANTI SHANTI

・ときわ松町会 知久さん

・目黒ユネスコ協会 斉藤さん

・朝日生命ユネスコクラブ 木間さん

・青山学院大学黒石研究室

頂いたご意見

・筆箱、財布、マスク、など洋服より小さいもの

・布のはしきれをつなぎ合わせてパッチワーク

・駅前で人通りは多いが、手間がかからないもの

・リサイクルショップに掛け合って廃棄予定の古着をもらう

・事前にイベントの告知を行う(インスタ投稿、チラシ)

・ときわ松町会の婦人部では古着のバザーを行っている

・貧困化が進んでいるため、子供服が必要な人に寄付する

・古着ボックスを設置し、ハンガーにかけ服のポイントや思い出を一緒に貼る

最終案

・古着は各自で持参する

・シュシュ、リボン、ランチョンマットに加え、来た人と端切れをパッチワークする

・ハンガーラックを設置し、まだ使えそうな古着は欲しい人に持って行ってもらう

・Instagramやチラシで事前に宣伝をする

    活動の振り返り

○自分たちで企画を発案し、実施まで結び付けた経験

→課題の発見、その解決のために自分たちができることを1から話し合いました。グループのメンバー全員で意見を出し合い、ブラッシュアップすることで、学びの多いイベントを実現することができました。

○外部の方々からの支援や協力を得られた

→イベント前にオンラインで勉強会を開催しました。外部の方から企画内容に関してのアドバイスや、イベントで使う布の切れ端をいただくことができました。当日も何人かの方が訪れてくださりました。

○実際に多くの方々に興味を持っていただけた

→私たちの活動を見て、興味を持って話を聞きに来てくれた人が多く、多くの方々とファッションロスについて考える機会を得ることが出来ました。

III. 渋谷区東町での町内会活動に参加

  1. 東町ときわ松町会の調査と問題発見、企画提案から勉強会開催

今年度、私たちは渋谷区の東町という地域で調査を行い、東町の中にある、ときわ松町内会の活動に参加しながら、まちづくりや地域活動のあり方について考えてきました。東町での調査・活動は2020年から継続して行っており、渋谷という都市において、住民同士の交流や伝統あるお祭りの開催など、地域のコミュニティが今でもしっかりと機能している東町の存在は、都市のまちづくりについて考える上で重要であると考えています。

   事前調査

ラボ内には東町での活動の経験がない学生もいたため、東町について知ること、東町の課題を発見することを目的に事前調査としてフィールドワークを2回行いました。

〈1回目〉

日時 : 10/26(水), 14時頃

〇気づいたこと

・坂の多い地形である

 ・小さい公園が多い 

・ベンチなどが少なくカフェなど飲食店に人が集まっている印象

      〈2回目〉

1回目のフィールドワークの後、ラボでディスカッションを行いました。皆で気づいたことを共有し、次回のフィールドワークで見 るべき点などをまとめました。 それを踏まえ、 2回目のフィールドワークでは町内会の方をお呼びし東町を案内していただきました。

日時 : 11/9(水), 14時頃

〇気づいたこと

・歴史を感じる建物が多い 

・決まりや施設が整っており、町内会がきちんと機能している 

・子供から高齢者まで多世代の暮らしがある 

・教育施設が充実している

課題の発見・考察

2回のフィールドワークを通して、 「町の魅力をもっと周知するべき」「世代を超えた交流を増やすべき」という課題を見つけました。

課題解決に向けて、私たちがときわ松町会のためにできることを考えた結果、 

・子供たちとの交流ができる読み聞かせ 

・地域の図書館が閉館してしまったため必要とされており、また住民同士の会話のきっかけにもなり得るフリーライ ブラリー 

・町の魅力を再確認することができ、住民同士の交流にも繋がるフォトコンテスト 

という案が出ました。 

   勉強会の実施

11月29日(火)、Zoomを使用しオンライン勉強会を実施 しました。

ときわ松に住んでいる方 や、町内会を運営している方、東京都ユネスコ連絡協議会の方などの外部機関の方も招待し、 交流も兼ねた勉強会となりました。 

勉強会の実施にあたり、フィールドワークで得られた結果のまとめと、町内に見られた課題やその解決に向けた 企画の詳細を話し合いを行いました。 

勉強会において、 

・イベントを行う際、子供が落書きできるスペースを用意することで子どもたちにも興味を持ってもらい、楽しんでもらうことができる

・身近だけど意外に知らないことを知れるイベントが魅力的である

・図書館の閉館に関して、閉館が決まる前に行政の方ともっと話し合いをする必要があった

との貴重な意見をいただきました。 

            勉強会でのスライド

   イベントの計画                                                                            

zoomでの勉強会、町内会の方との話し合いを踏まえ、 

・以前も行ったこともあり比較的開催が容易 

・町の魅力の再発見ができ、かつ子供から高齢者まで住民同士の交流に繋がる 

という理由から、開催するイベントを「ときわ松にあるお気に入りの場所」をテーマにしたフォトコンテスト に決定しました。

  

2. 餅つき大会+写真展の実施+高齢者訪問で気づいたこと

ときわ松町内会でのフォトコンテストの開催では、自分達の企画を自らの手で実行し、そのプロジェクトに地域住民の方を巻き込むことができたと考えています。当初は、どのようにしたら、地域での交流が生まれるかというコミュニティデザインの観点から、この企画を考えていましたが、実際に写真というツールを通して、新しいつながりが巻き起こる様子を目の前で見ることができたことが何よりの収穫であったと感じました。

地元の住民の方をはじめとして子供からお年寄りまで多くの人々が集まり、「この写真はどこの石像なのだろう」などの対話が生まれていたことが、特に印象に残り、同じまちに住まい、同じものを見て生活しているようで、実は違ったものを目にして生活しているということを、実感することが出来ました。

また、図書館が閉鎖され、人々が集まって交流をする機会の減少が問題点として挙げられる東町において、今回のようなイベントを定期的に行うことができたら、住民の方同士の交流が増えるとともに、若者が町内会に興味を持ち参加してくることも期待できると感じました。今回の写真コンテストの実施を通して、本で読んでいたまちにおいて繋がりを作る仕組みや方法を実際に試行することができたことを嬉しく感じ、このようなつながりを除々に作っていくことが、災害時などの緊急の際などに助け合うことができるような強力なつながりになっていくのではないかと考えるようになりました。

IV. 全体の振り返り

街づくりを考える上で、外部からの訪問者は増えているということを感じることができました。その中で、訪問者に向けたまちづくりに焦点を当て過ぎているのではないかとも考えましたが、下北沢のよさでもあるので融合して考えようと考えました。街のフィールドワークでは、街の人からお話を伺うことができました。このように飲食店などが増えていくことについて聞いてみると、「夏休みや土日などは駅前が混雑 していて、子供を連れていきにくい」などという声もありました。しかし、「飲食店や雑貨屋さんなど多種多様なお店がたくさんあって飽きない」という声もありました。

そこで、私は子育てをする地域の人たちのために外部の訪問者に向けたイベントだけではなく、子供も参加しやすいようなイベントなどを開催することや、子供のための飲食店やカフェ、玩具屋さんを作る工夫などをして地域の人が安心して子育てをできる場所を作ることが大切だと思いました。また、古くからある飲食店を取り壊して、新しい訪問者向けのカフェなどを作るのではなく、もともと住んでいる住民に目を向けて、今ある場所を大切にしていくことも必要だと改めて感じることができました。   (日髙彩菜)

今年度はラボの2年目ということもあり、2年生の時に学んだことを活かしたり後輩を率いて活動を行ったりと昨年度よりも実践的な活動を取り入れて活動をすることができ、学びが多かった1年だと考えています。

昨年度は気仙沼での震災復興について調査や発表をした経験があったため、今年度もその経験を活かして、これぞれの地域に寄り添う視点を持ちながら、地域の人が困っているのを解決するのに協力したいという思いが変わらずにありました。また、その地域に携わる人たちと一緒にプロジェクトを進めていく方法を実践的に学ぶことや、論文や本を読むことで 街づくりに関する事例やプロセスについても論理的に学んでいくことにも興味がありました。

今年度は、東町や下北沢など都市の中のコミュニティや生活環境に注目して調査を行うことが多くあり、都市に存在する地域が抱える課題やそれに対する住民たちの考え、課題解決へのプロセスなどに、地方との相違点と共通点があ ると感じ、新しい視点で街づくりについて学ぶことができました。また、実際に住民の方や地域活動に詳しい人からの意見を得ることの大切さ、実際にフィールドワークで自分の目で地 域を見て魅力や課題を発見することの大切さなど、街づくりだけに留まらず今後様々なプロジェクトに活かすことができるような計画・行動のプロセスについて学ぶこともできました。 (熊倉二葉)

今年度のラボ活動では、mishmash で行った山形出店と古着のアップサイクルワークショップにおいて学びが多くありました。山形県で暮らす高校生と一緒に活動したため、山形と東京を繋げることができ、 山形の魅力を東京で暮らす多くの方々に伝えることができました。イベントを企画・ 実施することの難しさを学びました。交渉が上手くいかず、問題に対してどう解決するのか を考える機会がありました。しかし、私たちの活動に興味を持ってくださった多くの方々の 力もあり、ワークショップを無事に行うことができたことは大きな喜びでした。

当日は、「家 で作ってみるから作り方を教えて」と言ってくださった方や、「素晴らしい活動ですね」と 興味を持って話を聞きに来てくれた人も多く、地域の方々と一緒にファッションロスにつ いて考えるという目的は果たせたと感じました。また、ワークショップ開催前に行った勉強会は、外部の方の意見を聞くこ とで、自分たちの視野を広げるきっかけとなりました。他者と交流して、様々な人の考えや 価値観に触れることは、自分の価値観を広げることにも繋がりますし、自分を見つめ直す機 会にもなります。多くの人と関わりを持ち、地域を超えた繋がりを作っていくことが、重要であると感じました。(大野祐衣)

これまでの黒石ゼミでの活動では下北沢周辺を調査対象としたフィールドワークや都市空間に関する学説文献の読解を行い、文献を用いて自分たちが行ったフィールドワークを通して分析し、より実践的に学びました。また、後期では前期で行った地域調査•フィールドワークの経験を活かして下北沢という地区でワークショップを開催しました。

​​​企画立案実行までの過程を身をもって経験することでロジックをしっかりと組み立てることの重要さ、またどんなに綿密に考えた当初の企画も計画を進める上で様々な問題が発生すること、その上で発生した問題に対して改善策を探していくことの重要性を学びました。また企画立案において協力を依頼する場合には企画を実行する明確な目的やそれに伴う成果を提示する力が求められることを理解できました。(水田涼花)

東町には住んでいない私たち学生には 「東町はどのように見えるのか」と考え、普段の東町の姿を知るために、町内会の方に案内 していただき町内会の管轄の地域のフィールドワークを行いました。そして、その際に、東町は大都市である渋谷に位置しているにも関わらず、自然が沢山あり、居心地の良い場所であるということや、昨年の3月に図書館が閉館してしまっていたことなど、沢山の気づきを得ることが出来ました。「わたしの町ときわ松」というテーマの下、町内会の方と協同で写真コンテストを開催し、東町の魅力を再発見し、新たな居場所になりうる場所を見つけてもらうことを試みました。

これらのことから、フィールドワークを行って町に入り、町の姿、そしてその町に住む人々の様子を観察することの大切さを改めて学ぶことが出来ました。実際の写真コンテストでは、投票する際に住民の方同士で写真の場所について話し合っていた様子も見受けることが出来ました。そのため、町の魅力を再発見し、共有をすることが出 来ただけではなく、世代間交流の促進にもつなげることが出来たと考えています。イベントを通して、町の人々のつながりを感じることが出来ることは、すべて町内会では見ることができない姿であるため、ときわ松町内会のとても大切な特徴であると感じました。(荻原愛那)

 私は、地域のまちづくり団体とのワークショップなどの地域活性化に関心をもち、このラボを選びました。私の地元の駅の商店街はシャッター商店街とまではいかないものの、立ち寄る人は少なく、だんだん閉まるお店も増えてきています。そのような状況になにか役に立つ知識や経験があったらいいと考えていました。

ラボ活動を通して学んだこととしては、まず下北沢の街歩きで、下北沢という地を観光地としてではなく、初めて住民がくらしている街としての目線で見ることができたことです。特に下北沢一番街は、駅前の開発されているミカンなどとは異なり、古い店も多く、より地域住民と共存していると感じられる場所でした。商店街が坂と坂の谷の部分に位置し、住宅街に挟まれているということも新たな発見でした。後期のワークショップ企画では、当日よりも準備段階で学びがあったと感じました。まず、内容を考えるうえで古着を使うという軸はあったもののどう利用するかや、素材である古着の集め方に悩みました。あっちを立てるとこっちが立たないというように、一から企画することの難しさを経験することが出来ました。

また、オンライン勉強会はそもそも参加することが初めてだったのですが、オンラインということで普段いそがしい方や遠くの人でも、日時の選択肢が広がることによってさまざまな所属の人が集まれたり、画面共有でスライドを映したり画面録画ができるなどというメリットを生かせることが大きいと感じました。もともとの案を紹介した際には、それぞれの方の意見や付け加えて既に行っているプロジェクトの例を聞くことが出来たり、違う地域の方同士で新たなつながりが生まれたりして、とても有意義であったと思いました。(春田杏)

私はこの1年間のラボを通して、地域の取り組みやまちづくりがどのようにして「文化」と関わり合っているのかを学びたいと考えていました。総合文化政策学部を目指したきっかけも「地域と文化の関わり」を勉強したいという思いからでした。私の住む町では少子高齢化に伴い、町の過疎化が進み、町をあげて行なわれていたお祭りや季節ごとのさまざまな行事がなくなっています。人口が少ない中で、町を少しでも明るくできる方法を、このラボ活動を通して考えよう、と考えていました。

8月に山形県新庄市で参加した「新庄まつり」や、12月の渋谷区のときわ松町会の方と実施させていただいた「写真コンテスト」の活動を通して、地域住民にとって「居場所」となるような場所、地域の「特徴」となりうる行事、これらを定着させることが、私の住むまちにも必要だと考えました。活動で訪れた2つのまちには、町内会館があり、さまざまな活動、人々の集いの拠点となっていたからです。私の住むまちでは、住宅の密集度の割合が変化したことをきっかけに自治会館が移動し、それに伴って自治体から脱退してしまった人が増加しました。若い家族連れの世代が集まる側に移動し、子供たちにとっては公園以外にも集まることのできる場所が増えましたが、高齢者が多く住む側からは離れ、本当に居場所を必要としている人々同士が集まりづらくなっているのも事実です。2つの町のように自治会館がまちの拠点のような、人々が集う場所になれば良いと思います。

それから、もともと存在していた、地域対抗の運動会や、お祭りの日の御神興、団子焼きなど、季節ごとの地域行事を再度開催できるようにしていきたいです。やはり人々が集まるには、そうした行事が欠かせないと思います。また、ときわ松町会を例に、定期的に住民同士が顔を合わせることで、災害時などもお互いに声を掛け合ったり、助け合ったりすることができるからです。町の人口の高齢化が進んでいることも考慮し、高齢者でも参加できるような行事にシフトチェンジする必要はあると思いますが、昔ながらの行事をまた実現することができれば、まち自体が盛り上がり、活性化にもつながると考えました。(串田結依)

まずは、去年はオンラインでの交流に留まっていた新庄についてもっと詳しく知りたいと考えていました。実際に新庄を訪れ、祭りへの参加や現地の方との交流を通じて、東京との違いや新庄の魅力を発見することを大まかな目標としていました。もう一つの活動、「mishmash」については、SNS での投稿を通じて、出店者さんの想いをもっと知り、知ったことをできるだけ多くの人に伝えたいと考えました。また、去年、宮城県仙台市唐系のユースホステルとコラボしてマルシェに出店したように、自分たちでも何かしらの出店を行えたらよいなと思っていました。また、「mishmash」を通じて去年から下北沢には関わってはいたものの、下北沢という街自体についてはまだ知らない部分が沢山あったので、街歩きなどを通じ下北沢への理解を深めたいと考えていました。

新庄への訪問やマルシェの出店では、食が繋いでいく輪やコミュニティの温かさを知りました。去年まで、新庄は東京から離れた山形の一都市という認識でしたが、実際に現地を訪れ、自分自身で見て、聞いて、食べることで、新の食の素晴らしさを実感しました。また、私たちは新庄にゆかりのない人であるにも関わらず、温かく受け入れてくれたのに驚きました。これは、今まで良好な関係を維持してくださった黒石先生のお力のおかげであると思います。そして、出店を通して生産者さんの商品に対する想いを受け取り、消費者である自分たちこそ食に関心を持たなくてはならないと学びました。

「mishmash」当日は、私たちが出店することを聞いた新庄にゆかりのある人々が下北沢に集結し、お話することができました。新庄の食を通じて、新庄から遠く離れた東京に交流の場を生み出すことができたと思います。「mishmash」のSNS 運用では、交流を続けることの大切さを学びました。初めて会った時には、軽い挨拶程度であった出店者さんとも、毎月顔を合わせて会話をすることで、お互いに信頼関係が生まれたと思います。(渡邊芽依)

私は、実際にさまざまな地域をフィールドに学ぶことができるこのラボで、どの地域にも共通して必要なことや課題となっていること、地域ごとの特色などを比較検討しながら、都市計画や地域コミュニティのデザインを学ぼうと考えていました。下北沢での活動では、フィールドワークで気づいたことや発見したことをどのように深掘りし、考察していくのか、その手法や街をどう歩き、どう見ていくのかなど、まちあるきの基礎を学びました。特に、記録の方法として、写真がありますが、その写真からさらに欲しい情報を抜き出してアウトプットする方法としてのスケッチがあることは新たな学びでした。また、ただフィールドワークをするのではなく、他の学生の自分とは異なる視点からの発見や気づき、先生からの補足などのフィードバックによって、街に対する新しい見方や視点を得ることができました。

さらに、夏合宿では、2日間でたくさんの普段関わることのない地域の方との交流から、様々なインターネットや本からでは絶対に得ることのできない学びがあったと確信しています。特に、地域行事の継承の様子を実際に見ること、肌で感じることができたことが特に印象に残っています。また、地方における人口動態についても考えさせられました。大学のないまちである新庄市は、子供ができてから地元へと帰って来る人や、やっぱり地元が一番いいと帰ってくる人、人間関係がいいから、助け合いの精神が根付いているから、慣れ親しんだ食べ物や環境があるからと、一度地域を後にした人たちが帰ってくることも少なくないといいます。これは、現在、一極集中し、都市部への人口流入が激しい中で、UターンやIターン、ノマドワークなどが絵々に増加していることの本当の理由だと考えられます。皆、利便性や選択肢の多さを求めながらも、本当は故郷を求めているのだろう。これには、私自身も重ねて考えさせられる部分がありました。

東町でのフォトコンテストでは、自分達の企画を自らの手で実行し、そのプロジェクトに地域住民の方を巻き込むことができたという成果のようなものを感じました。どのようにしたら、地域での交流が生まれるかというコミュニティデザインの観点から、この企画をみていましたが、実際に写真というツールを通して、緩やかではあるものの、新しいつながりがそこで巻き起こる様子を目の前で見ることができたことが何よりの収穫でした。同じまちに住まい、同じものを見て生活しているようで、実は違ったものを目にして生活しているということが表出し、この写真はどこの石像なのだろうかなどの対話が生まれていたことが特に 興味深かったです。

このように、本で読んでいたまちにおいて繋がりを作る仕組みや方法を実際に試行できたことが、嬉しかったです。このようなつながりを除々に作っていくことは、災害時などの緊急の際などに助け合うことができるような強力なつながりになっていくのではないかと信じています。地方都市では、そのような横のつながりが強いが、東町のような渋谷という大都会で、町内会がしっかりと機能し、まちの中でコミュニティが存在していることは、特異なことだと思います。なぜそれが可能になっているのかという疑問がありましたが、この餅つき大会をそばで観察していて、やはり町内会をしっかりと引き継ぎ、夜警などの定期的な行事をしっかりと行い、またそれらの行事に小さな子供からお年寄りまでがしっかり参画できているという点を見て納得しました。町内会が機能し続けることは難しいが、責任感とまちへの愛着のある住民が多いことが理由であると考えました。(遠藤春香)

私はラボに入った当初、学びたいことが明確にあったわけではなく、なんとなく地域について学べたらいいなと考えていました。しかし、ラボの活動の一環であるフィールドワークなどを通して実際にまちに出て人々と関わるようになるにつれて、地域の人々とまちの関わりについて学びたいと強く思うようになりました。

私が参加したラボの活動は、大きく分けて2つあります。1つ目は、一年を通して参加してきた「 mishmash」です。外部の方と継続的に関わって何かをすることは私にとって初めてで、何もかも不慣れな中始まりましたが、メンバーで協力してなんとかやり遂げることができました。「mish mash」の活動の中でも、Instagramの運営は一番学びが多かったです。内容としては、送られてくるメールをもとに文章を作って投稿するという単純なものですが、運営の方との連絡を密に取る必要があったり、投稿内容に変化をつけるよう求められたりと大変なことが思った以上にありました。これに加え、「mish mash」 当日のストーリー投稿も行いました。実際に出店者様に聞き込みを行い、おすすめ商品などをストーリーにて紹介するというものです。これらの活動を一年間続ける中で、文章力が高まったのはもちろん、お客さんと会話をする機会も多かったためコミュニケーション能力も上がったのではないかと思います。

2つ目は、「ときわ松町会フォトコンテスト」です。2回のフィールドワークやディスカッションなどの事前準備を踏まえ、企画の内容を決めるところから自分達で行いました。結果、町内会の方、そして住民の方に喜んでいただくことができました。ラボの一年間の活動のまとめとして、学んできたことを活かし目に見える形で成功を収めることができ大変嬉しく感じました。このフォトコンテストにおいても、大変だったことがいくつもありました。その中でも、企画内容を決める段階です。フィールドワークで得た気づきを踏まえて、まちが抱える問題点を見つけ、その解決に貢献できるイベントを考案するという流れは、今まで経験したことがなかったので、難しいものでした。また、宣伝について、手探りの状態だったので、不安はありつつも町内会のホームページとFacebookを中心に行いました。当日来てくださった方は人数が多すぎることも少なすぎることもなく、この宣伝方法が適切であったと振り返ることができました。このような課題はあったものの、自分達でフォトコンテストという企画にたどり着き、結果として成功することができたということは大きな自信につながりました。(村田帆香)

 参加学生

3年 大野祐衣、熊倉二葉、水田涼花、渡邊芽依

2年 遠藤春香、荻原愛那、串田結依、春田杏、日髙彩菜、村田帆香

 編集者氏名

大野祐衣、荻原愛那、熊倉双葉、村田帆香、渡邊芽依

 指導教官

    黒石いずみ

    ご協力いただきお世話になった方々

 山形県新庄東高等学校 学生・教職員の皆様

山形県新庄市市役所 商工観光課の皆様

農縁ネットワーク 高橋保広様

新庄上茶屋町若連・松本囃子若連の皆様

mishmashの皆様 特に運営 和田晃奈様

下北沢お節介クラブ 斉藤様

渋谷区ときわ松町会の皆様

渋谷ユネスコ協会 池田会長

目黒ユネスコ協会 斉藤様

朝日生命ユネスコクラブ 木間明子様