• 青山学院大学 総合文化政策学部

活動概要

「コロナによって浮き彫りになったコミュニティの問題について、“食”を通して考える」 を共通のテーマに、「子ども・大学生・高齢者」それぞれに焦点を置いた3つのグループに分かれて活動しています。 私たちが普段当たり前のように享受してきた“食”によるつながりや楽しい空間を作ってきた人や活動に目を向け、彼らがどのような状況に置かれているのか、彼らは今何をして いるのか、ということを調査しています。そして、調査して得られた気づきから、“食”に関わる人や活動をコミュニティ、まちづくりの観点から見たときに、社会の中でどのような役割を担っているのかを考えていきます。


子どもグループ

こども食堂の調査を中心に、地域の多世代交流、福祉政策、郷土料理の伝承といった食育、畑学習について調査しています。農業体験を主催している企業の方に実際にインタビューを行なったり、郷土食の面では、157人にアンケートを取り、郷土食が現代人にどれだけ根付き、関わりを持っているのかを調査しました。


大学生グループ

大学生グループの活動は主に2つあります。1つ目は、川崎市社会福祉協議会へのインタビューです。コロナ禍で困窮した大学生を支援している団体として、川崎市社会福祉協議会が紹介されていた記事を見たことがきっかけで、インタビューを行ないました。支援に至った背景などを中心にお伺いしましたが、経済的困窮や問題は些細な違和感に気づくことが大事だという言葉が非常に印象的でした。

おせっかいクラブの様子
フードバンク事業

2つ目は、おせっかいクラブ(福祉施設)へのインタビューです。ここでは、フードバンク事業やこども食堂を運営しており、大学生というよりは子どもに焦点を当てた支援が中心に行われていました。大学生の食料支援については更なる調査が必要でしたが、「その地域によっての“経済的困窮”とは何なのか」ということを学ぶことができました。


高齢者グループ

高齢者の食生活をはじめ、食の場に関わり、提供している全ての人々(商店街の八百屋や魚屋、老人ホーム、地域団体によるお食事会)にインタビューを行なっています。コロナ禍で浮き彫りになった問題や、変化し続ける“食”を通じたつながり方を踏まえ、高齢者にとって“安全で快適な楽しい食空間づくり”を模索しています。


今後(2021年度後期)の活動計画

★ ”食”を通して社会の問題に立ち向かい、社会的に苦しい思いをしている人たちへ手を差し伸べている人たちによるトークセッション

コロナ禍の日本において、“食”にまつわる社会的な問題や分断が顕在化した一方で、新しい食事の楽しみ方やつながり方が生まれ始めています。家族のカタチ、働き方も変化していく中で、これまでの「理想の食卓」は限界を迎えている、ということをコロナは改めて顕わにしました。では、21世紀の「リアルな食卓」とはどのようなものなのか、本当に求められている支えとはどのようなものなのか、ということをトークセッションを通して見つけていこうと考えています。